画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」、じっくり使って分かったこと

Amazonから画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」が登場した。従来の「Echo Show」が10.1型の大画面だったのに対し、本製品は5.5型というコンパクトなサイズゆえ、設置のしやすさが特徴だ。今回は外観チェックからセットアップ、基本的な使い方までをじっくり見ていこう。
コンパクトなボディーだが設置場所は要注意
まずは外観を見ていく。パッケージに付属するのは本体とACアダプター、スタートガイドの2つのみ。ACアダプターは15W仕様で、モデル名を見る限りではEcho Dot(第3世代)と共通だ。
スタートガイドには、本体各部位の名称からセットアップの流れ、操作方法がまとめられている。これらの説明がほとんどなく、良くも悪くも自力で探さなくてはならない「Google Nest Hub」に比べ、ハードルは低い印象だ。
画面サイズは5.5型ということで昨今のスマートフォンと近しいが、ベゼル幅が太いせいか、同等サイズのスマホに比べるとやや大きく見える。視野角は上下/左右ともに広く、斜め方向から見ても画面が見づらいことはない。
ボディーサイズは、天地こそ86mmとコンパクトなのだが、電源ジャックが真後ろに飛び出す構造なので、奥行きは意外と取る。実際に測った限りでは、最低でも約110mmの奥行き(ボディー自体は73mm)が必要になる。
これが競合のGoogle Nest Hubの場合、奥行きは約90mmあれば十分なので、画面サイズが小さい本製品(Google Nest Hubは7型)の方が、むしろ余計に奥行きが必要ということになる。ベッドの棚など狭いスペースに設置する場合、このことはネックになる可能性がある。ケーブルを左右どちらかに逃がす形状のコネクタにしてほしかったところだ。
カメラカバーはAmazonなりの回答?
本体上部には、マイクとカメラのオン/オフボタンや音量調整ボタンといったおなじみのボタンが並ぶ。これらは並び順も含めてEcho Showと同様だが、新しく追加されたのが、右端にあるカメラカバーだ。これを右にスライドさせると、画面の右上にあるカメラのシャッターが物理的に覆われ、利用できなくなる。従来のEcho Showにはなかった機構だ。
スマートスピーカーはセキュリティが不安視されることが多く、特に画面付きのスマートスピーカーは、音声以外に映像についても懸念は大きい。先日発売されたGoogle Nest Hubに至っては、カメラそのものを搭載しないという、大胆なアプローチを採用しているほどだ。
その点、本製品はカメラを内蔵するものの、未使用時は物理的に覆ってしまうことで、盗撮などの不安がないことをアピールしている。もちろん、従来でもカメラやマイクをオフにすることは可能だったが、これはあくまでソフトウェア上の切り替えということで、ユーザからすると本当に撮影が行われていないのか、確認する術がなかった。
その点、本製品は物理的にカバーで覆ってしまえるため、安心の度合いはこれまでとは段違いだ。Amazonなりの解といえるこの仕様、おそらくEcho Showも、次のモデルチェンジで、同じ仕様に改められるのではないだろうか。
セットアップは本体のタッチパネルで実行
セットアップについては本体側で行う。競合製品に当たるGoogle Nest Hubが、本体ではなくスマホアプリでセットアップを行う仕様だったのとは対照的だ。
もっとも、本製品は本体だけでセットアップが行えるので分かりやすい反面、画面が直立していることもあり、タッチ操作によるAmazonのアカウントやパスワードの入力は、多少の操作のしづらさを感じる。このあたりは好みが分かれるだろう。
手順自体は従来のEchoシリーズに準じており、Google Homeに比べるとフローの数も少なく、使い始めるまでに時間がかからないのが利点だ。
音声だけでなくタッチ操作でも使いやすさを追求
操作方法については、付属のスタートガイドにも簡潔にまとめられている他、セットアップ終了後に流れるガイダンスをチェックすることで、すぐに覚えられる。
タッチスクリーンの操作方法として、覚えておくべき操作方法は以下の2つだ。
・画面を上から下へスワイプすると設定画面が表示される
・画面を右から左へスワイプするとさまざまなショートカットが表示される
このうち後者、右から左へのスワイプで表示されるショートカットは、従来のEcho Showにはなかったギミック(現在はEcho Showでも利用可能)で、利用頻度が高いアラームやスマートホーム、定型アクション、音楽といった機能をタッチ操作で呼び出せる。
個人的には、音声インタフェースがあらゆる場面で万能だとは思っておらず、特に繰り返し行う操作については、指で操作する方が望ましいと思っている。その点、本製品は利用頻度が高い機能についてタッチ前提のインタフェースが用意されており、好印象だ。
試した限りでは、いったん設定したアラームを削除するのにタッチ操作だけでは行えない(編集自体はできる)一方で、「買い物リスト」は登録済みのアイテムがタッチ操作で削除できたりと、ちぐはぐな箇所はいくつかある。このあたりはまだまだこなれておらず、今後の進化待ちだろう。
コンパクトで設置しやすいものの唯一奥行きには注意
以上で一通り使えるようになったわけだが、画面サイズが5.5型で、なおかつアスペクト比が2:1(960×480ピクセル)ということで、背は約86mmと非常に低い。Google Nest Hubが約118mmあるのとは対照的だ。
こういったコンパクトさゆえ、ディスプレイの左下の空間に設置したり、枕元に置いて目覚まし時計のように使ったりするのも違和感はない。むしろこのサイズありきで設計した結果、5.5型という画面サイズになったのだろう。ただし前述のように奥行きはややあるので、そこだけは注意した方がよさそうだ。
次回は今回の内容を踏まえつつ、本製品を使いこなすための設定方法について紹介していく。

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