Acer、熱伝導率3.83倍の「PowerGem」を採用した薄型ゲーミングノート

Acerは、9月6日(独時間)よりドイツ共和国ベルリン市で開催される予定のIFA 2019に先だって、IFA 2019の会場内で記者会見を開催した。そのなかでAcerは、同社のゲーミングPCの最新製品となる「Predator Triton 300」を発表した。
Acer CEO ジェーソン・チャン氏は「新しいPredator Triton 300は、PowerGemという新素材を利用して熱伝導を行なっている。従来のTIMと比べて熱伝導率が3.8倍になっている」と述べ、熱設計に余裕を持たせてターボブースト時やオーバークロック時のCPU/GPU性能を引き上げているほか、熱設計に必要な物理的なスペースを減らすことができるので、より薄型、軽量が実現できていると説明した。
■PowerGemと第4世代のAeroBlade 3Dを採用し性能を強化
一般的にノートPCでCPUやGPUからヒートシンクへ熱伝導を行なう素材として、グリスが用いられるが、PowerGemはそうした従来の素材に比べて約3.83倍も高効率に熱伝導が可能で、かつ必要とする物理的なスペースも節約することができるという。それにより、供給できる電力を約77%増やすことができ、CPUの性能を約12.5%向上可能になったとする。
また、Acerが「AeroBlade 3D」というブランド名で訴求してきた3Dメタルファンも第4世代へと進化し、Predator Triton 300にはそれが2つ搭載されている。それにより、CPUがターボブースト時(PL1/PL2)にあるときにできるだけ高いクロック周波数で動くようになったり、オーバークロック時に設定できるクロック周波数をより高く設定することが可能になっている。
そうしたオーバークロックの設定などは従来製品でも用意されていた「Predator Sense」と呼ばれる設定ツールを利用して可能になっている。ほかにもキーボードの色などを設定することが可能だ。
■Predator Triton 300と上位モデルのPredator Triton 500が用意されている
Predator Triton 300の基本的なスペックは、CPUが第9世代Coreプロセッサ(Coffee Lake Refresh)でCore i7-9750HないしはCore i5-9300H、GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1650となっている。メインメモリは標準で16GBとなっている2つのSO-DIMMソケットが用意されているので、最大で32GBまで増設することができる(DDR4)。ストレージは512GB/1TB/2TBのNVMe SSDをRAID 0構成ないしは256GB/512GB/1TBのNVMe SSDのシングル構成、1TBのHDDまでとなっている。
ディスプレイは15.6型フルHD/144Hz表示、応答速度は3msのIPS液晶ディスプレイないしは、フルHD/60HzのIPS液晶。サイズは363.4×259.14×22.9mm(幅×奥行き×高さ)となっており、重量は2.3kgとAcerでは説明している。Acerによれば、発売は欧州では10月が予定されており、価格は1,299ユーロからとなる見通しだ。
なお、Acerは今回は展示しなかったものの上位グレードとなるPredator Triton 500も発表しており、同じく第9世代Coreプロセッサ、同様のフルHD/144Hz表示ないしはフルHD/60HzのIPS液晶ディスプレイを搭載しており、GPUはGeForce RTX 2060ないしはGeForce RTX 2070(Max-Q)となっている。サイズは358.5×255×17.9mm(同)、重量は2.1kgとなっている。Predator Triton 500は欧州での販売は11月からが予定されており、2,699ユーロからという価格設定になっている。

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