Pixel 4の夜景モードはどのくらい撮れる? カメラ機能おさらい

デュアルカメラ体制に。撮影機能が大幅アップ
グーグルは16日、新たなスマートフォンの新製品「Pixel 4」を国内でお披露目した。ハードウェアとソフトウェア、そしてAIを組み合わせることでこれまでにない体験を提供する、というPixel 4。提供される“体験”の1つがカメラだ。説明会場ではカメラのデモコーナーが設けられていたので、Pixel 4の実機でカメラ機能の詳細を確認してみた。
メインレンズと、画角1.8倍相当の望遠レンズ
Pixelのカメラは、機械学習をベースにした画像処理が特徴で、前モデルのPixel 3ではHDR+、超解像ズーム、トップショット、夜景モードといった撮影機能が好評だったという。こうしたソフトウェアとAIの部分に加えて、今回は新たにメインレンズに対して画角が1.8倍相当の望遠レンズを搭載。デュアルカメラ体制になった。
Galaxy Note 10やXperia 1など、既存のハイエンドスマートフォンでは、デュアルカメラに超広角レンズを加えたトリプルカメラ体制が増えている。最新モデルではiPhone 11シリーズ(ProやPro Max)もそれに追随したが、これまでシングルカメラだったPixelでは、今回まずは望遠レンズのみを追加した形だ。
望遠カメラは16MPセンサーに光学式手ブレ補正と電子式手ブレ補正を搭載。レンズのF値はF2.4で、画角は52度。メインレンズは、Pixel 3では画角76度・F値F1.8の広角レンズだったが、今回は画角77度、F値F1.7のレンズを搭載した。センサーは16MPも12.2MPも同等だ。
背景ボケはより自然に。ズームも画質向上
Pixel 3では、機械学習でピクセル補完をして8倍までのデジタルズーム(超解像ズーム)が利用できたが、Pixel 4では1.8倍の画角のレンズを搭載するため、従来よりも画質が向上。2つのレンズの視差を使うことで被写体までの距離が測定しやすくなったため、ポートレートモードでの背景ボケがより自然になった、という。
暗闇でPixel 4を手持ち撮影、色彩に驚き
手持ちで手軽に夜景が撮影できる「夜景モード」(Night Sight)もさらに進化。新たに、星空の撮影も可能になったという。露出を変えた写真の連写合成に加えて、AIによるノイズ低減や色補完といった処理を行うことで、暗いシーンでも明るく、豊かな色彩の写真が撮れる、というのが特徴だ。カメラを起動し、夜景モードに切り替えてシャッターボタンを押すだけで、手持ちでもきれいに夜景が撮影できる。
三脚などに固定して撮影すると、さらに長秒時撮影が可能で、天体写真の撮影も可能になるという。新しく追加された天体写真機能は、辺りが極端に暗いときにカメラを構えると自動でスタート。一定時間、スマホを固定して撮影すると、最大4分間の間に15枚のHDR写真を連続で撮影、合成し、星空が撮れるとのこと。
ライブビュー状態で露出や暗部をダブル補正
超解像ズームや夜景モードは、いずれも撮影後の画像処理時間が入るため、撮影時のライブビューでは仕上がりを確認できない。しかし、明るい場所の写真撮影では、新たにHDR+が強化されたことで、ライブビュー状態で仕上がりを確認しながら撮影できるようになった。
これに加えて、「デュアル露出補正」機能を搭載。これまでも撮影中に画面をタッチすると露出補正が行えたが、Pixel 4では通常の露出補正のほか、暗部補正の設定がスライダーで表示され、露出・暗部の2つのスライダーを指で操作し、その高低を調整できるようになった。画面全体の露出を変更する通常の露出補正に対して、暗部補正は画面の暗い部分だけに影響するため、ハイライトの露出を抑えつつ、暗部を持ち上げるといった補正が可能になった。
Pixel 4のカメラ機能は、機械学習を活用した画像処理が特徴だが、ハードウェアとして望遠レンズを搭載したことで、利便性が向上。ただ、望遠レンズは1.8倍という中途半端な画角でもあり、望遠撮影のためというより、どちらかというと超解像ズームやポートレートモードでの処理を改善するために搭載した、という理解が正しいかもしれない。
他のAndroidスマートフォンやiPhone 11シリーズのような超広角レンズがない点は物足りないが、望遠レンズの搭載でもたらされた撮影精度や画質の向上といった恩恵は大きく、Pixel 4はカメラの完成度がより高まったと言えるだろう。

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